第49章 素敵な熱い風呂

第49章 素敵な熱い風呂


(原作者による注意書き)
…さて、ここからの話はMature(17歳以上)指定にした方が良いようです。はい、この先にちょっとばかりエロい場面が登場します。出来るだけそういうことが起きる前に注意書きを付けるようにして、二人の男性同士が健康的な肉体関係を持つ(あるいはそういうことを想像する)場面は読みたくないという人は、そこを飛ばせるようにします。この章においては、最初の節はそのまま読んで頂いて大丈夫ですが、その後の水平線から後は飛ばしてください。
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セバスチャンの食卓

一つの大皿の覆いを持ち上げてしかめっ面をした。
「魚だ」と彼は嫌そうな声で言った。
「そう、魚もあったな、他の品物と一緒に」とセバスチャンが同意した。
「いや、これが何か魚料理の類だと言う意味だ」とフェンリスは言うと、しっかりと蓋を元に戻した。

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第48章 昼食

第48章 昼食


アンダースはセバスチャンの居間に入って、誰もいないことに驚いた。大抵誰か一人は必ず彼が到着する前に部屋に居て、記憶にある限り彼が最初だったのは、今回が初めてだった。少なくとも召使い達は既に昼食の準備を整えていて、テーブルの中央には覆いを掛けた大皿が並べられ、いくつかの皿の下には容器の中でごく小さな火が灯されて中身を温かく保ち、また別の皿は氷の入った器の上で冷たく冷やされていた。
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第47章 朝の遠乗り

第47章 朝の遠乗り


馴染みのある声が彼の名を呼ぶのを聞いて、フェンリスは顔を上げた。アリに馬具をつける手を止めると、彼は男に暖かい笑顔を見せた。
「セバスチャン、おはよう」

「君が朝早くから遠乗りに出ると言っていたのを思い出してね。今朝は予定が無いから、一度だけ私も一緒に行こうと思ったのだ」とセバスチャンは言った。
「構わないか?」

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第46章 夢の話

第46章 夢の話


あるいは、彼は当然予想しておくべきだったかも知れない。ブランディをたっぷり飲んで、しかも若い頃の放蕩ぶりについて語り合った後では、その晩の夢が普段より少しばかり華やかになるかも知れないと。最初は使い古されたいつもの、街の通りの暗がりを歩いて行く夢。通りの建物はよく似ていたがどこか見慣れない様子で、建物の並びも中の間取りも現実とは違っていた。

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5時間。

半分終わった…………。

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第45章 静かな夜

第45章 静かな夜


セバスチャンは椅子の背にもたれ掛かり、ブランディのグラスを両手で抱えていた。アンダースは暖炉の側の長椅子に座って脚を長々と投げ出して、やはりブランディをグラスからちびちびと飲んでいて、膝の上でアッシュが丸くなっていた。一方フェンリスは彼らの間で、暖炉の前の床に手足を伸ばして座り込み、半分空になった上等の赤ワインの瓶を側に置いていたが、カークウォール時代に良くやっていたように瓶から直接がぶ飲みではなく、上品にグラスから飲んでいるところが違っていた。

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第44章 カークウォールからの知らせ

第44章 カークウォールからの知らせ


犬の吠える声を聞いて、セバスチャンは寝室の窓際に行って外を眺めた。アンダースが雪で覆われた庭を横切って彼のコテージへ戻ってきていて、ガンウィンが彼の足の周りで飛び跳ねていた。朝の診察からちょうど戻ってきたところと思われた。彼はふとアッシュはどこに居るのかと思ったが、それからメイジの肩の上に猫が頭を覗かせているのが見えた‐ 猫は外套のフードにすっぽりとはまり込んでいたのだった。セバスチャンは面白そうに鼻で笑うと身を翻し、今朝のギルドマスターとの会議に着ていった着心地の悪い礼装から、何かもっと気楽で友人との昼食に適当な服に着替えようと衣装棚を探した。

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第43章 冬の礼装

第43章 冬の礼装


カレンやロレンス達と話し合っている間に空が曇ってきていたことに、セバスチャンは砦から出た時に気がついた。
「どうやら雪になりそうだ」と彼は皆に言った。

アンダースは、フェンリスと共にようやくセバスチャンに合流した後もいつになく静かだったが、同じように空を見上げて言った。「そうみたいだ」

カレンも空を見上げた。「この雪は残りますかね、それともちょっとの間積もるだけ?」

セバスチャンは肩を竦めると、彼の衛兵と馬たちが既に出発の準備を整えて待機している方へと階段を下りながら言った。
「多分残らないだろう。最初の雪が残ることは珍しい。しかしこの辺りで一度本格的に降り出したら、本当の大雪になる。大体1ヶ月か二ヶ月雪が降り続いた後、ぴたりと降り止むと、それから春の雨に変わる」

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第42章 小さな一歩と種

第42章 小さな一歩と種


アンダースはアッシュが彼の肩に掛けた鞄の中で、居心地良く丸まっていることをもう一度‐実際には3度目‐確かめてから、ようやく彼の馬に乗った。セバスチャンとカレンは既に騎乗し静かに語り合っていた。フェンリスはまだアリアンブレイドと、鼻先を付き合わせるようにして見つめあって、何事かを雄馬に語りかけていた。
セバスチャンは周囲を見渡し、他の皆が既に騎乗して待っているのを見ると、コホンと咳払いをした。フェンリスは彼に視線を向けて微かに恥じ入るような顔をすると、ようやく彼の馬に乗った。

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