WordPressのプラグイン”Highslide for WordPress *reloaded*”を入れてみたよ

こう、絵をクリックするとむにょん!とその場で大きくなって、もう一度クリックすると小さくなるやつです。本館の方では以前から使っていましたが、こちらの方でもプラグインがあったので早速導入。 続きを読む

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第41章 更なる避難民

第41章 更なる避難民


その翌日、彼らに新たな差し迫った危機が近付いているという知らせを受け取ったのは、セバスチャンとアンダース、それにフェンリスが共に昼食を取っている時だった。大公の昼食を妨げることも厭わずセリン自らが訪れ、西の国境を巡回していた巡視隊が、多数の避難民の一団が、スタークヘイブンに向かって徒歩で旅をしているとの知らせと、その代表者を伴って戻ってきたと彼に告げた。

「テンプラーです‐彼はカークウォール時代にあなたとは知り合いだったと言っています」と衛兵隊長は続けた。「騎士隊長カレンという名前の者です」

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第40章 改善

第40章 改善


フェンリスは大公の居室に入っていった。セバスチャンは既に席に着いていて、ちょうど夕食を皿に取り始めたところだった。彼は顔を上げると微笑んだ。
「またアリに乗って出かけていたのか」

「どうして判る?」とフェンリスは驚いて尋ねた。

セバスチャンは歯を見せて笑った。
「笑顔が張り付いているよ。馬に乗った後はいつも笑っている」と彼は説明して、更に大きく笑みを浮かべた。
「種明かしをすれば、少しばかり馬の匂いもした」

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第39章 更なる贈り物

彼らの砦への旅の後で、街の外にこうも早く再び旅に出ようとはセバスチャンは考えていなかった。しかし一ヶ月を僅かに過ぎたところで、彼は再びフェンリスとアンダース、それに騎乗した衛兵の一群を引き連れて馬で出かけることになった。フェンリスは天性の馬乗りであるところを見せ、とっくに元の穏やかな雌馬から、セバスチャンの衛兵の替え馬である、そこそこ優れた去勢馬へ乗り換えていた。アンダースも少なくとも彼の能力の及ぶ範囲で進歩を見せ、ようやくドローレスおばさんを卒業して、覇気には欠けるものの、速歩よりずっと速い速度でそれなりの距離を走れる別の馬に乗り換えられるようになった。

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第38章 身に付いた技能

第38章 身に付いた技能


「本当に、僕もやらなきゃいけないのか?」アンダースは、彼の前の巨大な動物に眼をやりながら恐る恐る尋ねた。

「もちろん、お前もだ」とセバスチャンは言った。
「ほら、見た目ほどは難しくはないから。猫を私に渡して、練習用の馬のところへ行くんだ」

アンダースは頷くと、アッシュを大公に渡してから恐る恐るその馬に近づいた。かなりの大きさの馬で、セバスチャンが言うところによれば「鹿毛の雌馬で、ドローレスという名前」で、怖がりのメイジのために特に穏やかな気質の馬を選んだから、心配するなということだった。

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第37章 打ち明け話

第37章 打ち明け話


セバスチャンは、アンダースが緊張しながらもテンプラーとメイジで埋め尽くされた食堂での夕食を、特段重圧を感じているような徴候を見せずに乗り切ったのを見て喜んだ。彼がセバスチャンとフェンリスの間に座り、彼の犬達が後ろに居て、猫が膝の上に乗っていたのも助けにはなっただろう。彼はほとんどの間、皿の上の食物にのみ注意を払い、ほんの時たま顔を上げて、彼らのテーブルの同伴者に眼をやるだけで、食事の間中全く会話には加わろうとしなかった。

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第36章 良い考え

第36章 良い考え


ここに到着してからずっとアンダースがひどく緊張していることにセバスチャンは気付いていた。男はそれなりに表情を隠していたが、大勢のテンプラーの存在に、このメイジが深く動揺しているのは明らかだった。砦の中庭に一行が入るに従いアンダースの顔が青ざめ、緊張した様子で落ち着かなげに周囲に目を泳がせているのを見て、彼は男を旅行に誘う前に、この件はよく考えておくべきだったと遅ればせながら気付いた。

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第35章 新旧の恐怖

第35章 新旧の恐怖


荷馬車が砦の門をくぐり抜けるに従い、アンダースは震えだした両手を隠すために拳を強く握りしめた。それから門の両端にそびえる砦の壁に素早く眼をやった。テンプラーが、その上に見張りに立っていた。更に多くの者が砦の階段に立ち、セバスチャンとその一行を出迎えるために整列していた。彼は爪が痛いほど掌に食い込んでいるのに気づき、どうにか少しばかり力を緩めた。彼は唾を飲み込み、喉に込み上げてくる酸っぱく苦いものを感じて、もう一度飲み込んだ。

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第34章 冬の旅


セバスチャンは気がかりそうに眉をひそめながら、アンダースのコテージの大部屋を横切り、屋根裏の書斎へ続く階段を上がっていった。そこからでもフェンリスの低い声が話しているのが聞こえたし、彼とアンダースが共に働いているのも判っていた。犬が一声吠え、フェンリスの声が途切れたのを聞いて彼は速やかに表情を改めた。

「私だけだ」と彼が言って、階上に着くとそこに座っている二人の男に向かい、にこやかな笑みを浮かべた。フェンリスは礼儀正しく頷いて見せ、そしてアンダースは……顔を輝かせ、立ち上がりこそしないものの、明らかにとても喜んだ様子で机の向こうからセバスチャンを見ていた。フェンリスが疑惑を彼に伝えてからメイジの元を意図的に訪れたのはこれでまだ三度目だったが、顔を見た時に毎回アンダースが浮かべるひどく嬉しそうな表情は、彼にエルフの疑いが正しいと信じさせるに充分だった。

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第33章 発覚

第33章 発覚


セバスチャンは、フェンリスが彼の部屋のテーブルに着くと中央の大皿から夕食を取り分け食べ始めたのを見て、にこやかに笑った。
「セリン衛兵隊長が今日の昼過ぎに来た。彼は先週の間、君から教えを受けたことにとても感謝していたよ」と彼は告げた。

フェンリスは短く頷いた。
「彼は随分覚えが速い」と彼は言った。「事前に適切な訓練を受けていなかったとしても、君の衛兵隊長として彼はふさわしい選択だった様だ。彼は俺との話を言いに来たという訳ではないのだろう?」

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