第74章 友情と信頼

セバスチャンは微笑みながら、アンダースが庭に出て冬枯れた草木を片付けようとしているのを見つめた。メイジが一人きりで無いのを見て、彼の微笑みはさらに大きくなった。フェンリスが彼の作業を手伝い、ゼブランもそこにいて、ベンチに座って他の二人が池の周りで働くのを眺めていた。ハエリオニがゼブランの側でまるで彼のお守りをするかのように座り込み、エルフは彼女の耳を優しく掻いていた。セバスチャンは一瞬ガンウィンはどこかと不思議に思ったが、すぐに庭の奥の方へと背の高い茂みを掻き分けて行く尻尾が眼に入った。彼は興味を引くもの全てに鼻先を突っ込みながら、元気良く尻尾を振り回していた。

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セバスチャンの一族

単純にメモ。逃避行動とも言う。ゼブラン…………。


CODEX:ヴェイル一族

ヴェイル一族が権力を握る前は、スタークヘイブンは数多くの取るに足らない豪族の長が次々と支配権を取り合っていた。多少は本物の下級貴族もいたものの、ほとんどは夜盗の群れよりはマシという程度だった。

うち続く周囲の国々からのスタークヘイブンに対する襲撃と戦闘に耐えかねて、元のヴェイル卿(Lord Vael)は、スタークヘイブン王を僭称する身分卑しき生まれのアイアンフィスト王に対して、平和裏な抗議活動を組織した。数百人を越えるスタークヘイブンで最も高名な市民達が10日間に渡ってチャントリーの階段上で昼も夜も断食を行い、その人々は日に日に数を増していった。
この敬虔なる行いの前に、彼の戦士達が群れをなして逃亡するのを見たアイアンフィストは彼の剣をテンプラーに引き渡すと、スタークヘイブンを永遠に去った。

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第73章 不快でない

「さて……部屋に引き上げる前に、僕の部屋に立ち寄って寝酒を一杯というのはどう?」
彼とフェンリスが城の敷地内をぐるっと回って天守に戻るために歩いている間に、ゼブランは気軽な声を掛けた。

フェンリスはちらりとアサシンの方を見ると、ゆっくりと頷いた。彼は今夜ずっと、同じ長椅子の上でその体温が伝わるほど近くに座って居たこのエルフの存在を強く意識していた。
「それも良いな」と彼は穏やかな声で言った。

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第72章 引っ越し祝い

彼と彼の動物達がようやくコテージに戻れると聞いて、アンダースは大喜びした。その勢いで彼は唐突に、そこに戻った後で食事会を開きたいと他の人々に提案した。セバスチャンは面白がり、フェンリスは驚くと控えめに喜んで見せ、そしてゼブランはただニヤッと笑った。

「良い思いつきだね」とゼブランは言うと、セバスチャンの方を見た。
「昼食か夕食か、どっちが良いかな?」

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第71章 心地良い接触

遠乗りから戻った時に、厩でアサシンが彼を待っていたのを見てもフェンリスは驚かなかった。ゼブランはもう四日連続で彼の朝の時間に忍び込んでいた。それよりも、この金髪のエルフがアリの馬房の扉にもたれ掛かっているのを目にして、自分が嬉しく思ったことにむしろ彼は驚いた。巨大な灰褐色の雄馬が彼の髪の毛に鼻を突っ込み匂いを嗅いでいる間も、ゼブランは器用に短剣を自由な方の手で器用にひねくり回していた。

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第70章 気がかりな興味

明け方には雪はみぞれ混じりの雨と変わっていたが、アンダースの幸せな気分は少しばかりの冷たい雨で台無しとなることは無かった。彼は手早く昨日の服を身につけると、犬と猫を朝のトイレのために中庭に連れ出した。犬達は雨を少しも気にする様子は無かったが、アッシュは毛嫌いする様子で、差し掛け屋根から用便を済ませるに足るほんの僅かな間だけ外に出ると、大慌てで屋内に戻ってきた。猫はアンダースの足を踏みつけその上に座ると、神経質そうに身体を舐めて乾かし、それからようやく犬達が戻って来て、綺麗に磨かれた床のそこら中に水滴と泥をまき散らした。

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第69章 知覚の変化

もう夜も更けていたが、セバスチャンは少しも疲れを感じていなかった。彼はその夜ほとんどずっと暖炉の前に座って、薪が緩やかに燃え尽きていくのをただ眺めていた。彼の肘の高さのテーブルには封の切られたワインが一本置いてあったが、ワイングラスは彼の手の中に忘れられ、その夜を通じて彼はワインをほんの数回啜っただけで、酔うにはほど遠かった。

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第68章 明かされた過去

セバスチャンはアンダースとフェンリスが共に立ち去るのを見送っていた。彼はあのメイジとまた二人だけで話をする機会を待ち望んでいたが、アンダースは素早く食事を終えると、書き方の練習を再開すべきだとフェンリスに思い出させ、二人はまだセバスチャンとゼブランが食事をしている間にそそくさと立ち去った。彼が扉から視線を戻すと、同じく立ち去る二人を見つめていたゼブランと目が合ったことに気が付いた。

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第67章 ハンサム

(原作者注)男性同士の行為あるいはそういった考えにアレルギーを持つ方は、最初の小節を飛ばして下さい。

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やっぱり5時間

wwwww

67章、翻訳開始から6時間目に突入。やっぱりな。まあそれを見越して週末にこの章やろうと思ったんだけど。

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