アンダースは腰を屈めてユアンの額に手を触れ、異常に冷たくも熱くもないことにほっとした。彼は背後の扉が開いたのを聞いて背をまっすぐに伸ばして振り返り、セバスチャンが入ってくるのをみて微笑んだ。
「彼の様子は?」
彼は静かに側に来て幼い従兄弟の側に立ち、顔を見下ろしながら声を潜めて尋ねた。
アンダースは疲れた笑みを見せた。
「まあ大丈夫だ。命の危険は無くなった。剣は内臓を逸れていたし、傷の方は治したからショックと失血からも良い調子で回復している」と彼はささやき声で答えて、まだ酷く青白い顔で眠る少年を見下ろし、上掛けのシーツの皺を伸ばした。
「子供というのは信じられないほどの回復を見せるから。多分彼も、他の大人達よりずっと先に快復してそこらを走り回ってるだろうね。ともかく、肉体的には。精神的には、メイカーだけがご存じだ」